[23] 恋の記憶
彼女とのなれそめをつづろうと思う。以前、このサイトがカップルサイトだったときは、出会ったときのお互いの感想なんかも対談で載せていたけれど、そういえば個人サイトになってから遊びにきている人には、よくわからないだろうなぁと。

──よくある話。出会ったのは、大型ビアンサイトの掲示板だった。呼びかけたのは私。当時、私は元彼女との関係が切れて傷心していた。ある日、私は誰かに呼びかけた。

「友達を募集します。」

女性との恋愛には、色々あって疲れていた。どこにもやれないこの気持ちを理解しようとしてくれる人ならよかった。そういう人と出会いたくて掲示板を利用した。返信は数名からもらうことができ、全員ととりあえず会ってみることにした。会ってみないことには、本当に私の意志を理解して知り合ってくれるのかわからないからだ。

なんとなく世間話だけで終わってしまう人や、なんとなくセックスだけでさよならしちゃった人もいた。女とは不思議な生き物で、一度会って話をすれば、相手がどんなスタンスを望んでいるのかがわかる(と思う)。今思えば、うちの主人はよく、放っておいてくれたもんだ。私はあきらかにまともではなかった。確かに、主人が働きにでている時間を利用して行動していたとはいえ…。

数名、そんな出会いをすり抜けたのち、彼女に出会った。江南 馨(エナ カオル)。3つ年下と聞いていた彼女は、初めて体面したカフェにて、大人びた容姿、大人びたしぐさ、大人びたコミュニケーション能力を見せた。その時は、ちょっと苦手なタイプだなと思った。私のペースを乱す人。それが最初の印象だった。

基本がタチスタイルの自分は、最初に自分のペースに相手を引き込んだほうがいい。そう考えていた。ところが、彼女は私の予想を次々と裏切る。私はすっかりペースを崩されて疲れてしまった。きっと相手も、私をつまらない女だと感じたのだろう。そんな風に思ってその日は終了したが、帰宅後のメールはとてもはずんだ。妙な気遣いなどはなく、楽しかったね。また遊ぼうね。そんなやりとり。何度か会って自然に終了した女の子たちとは違う。ちゃんと向き合おうとしてくれている。馨が私の意識に入り込んだきっかけだったと、今は思う。

つづく>>>

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