[3]初恋
私が初めて、「異性愛じゃないもの」と認識して好きになった女性。それは結婚してからであった、同じ既婚者(だった)人。ひとつ年上なのに、妖精みたいに愛らしくて、白い日傘や白いワンピースがよく似合ってた。

感情を押し殺して生きてきたという彼女が、自分の意志で私を好きになってくれた。それが本当に嬉しかった。私より一回りくらい小さくて華奢な彼女の、笑顔が見たい。その気持ちだけで、私は私にできることをほぼすべてやっていたような気がする。当時は専業主婦だった(お互いに)こともあり、昼間の時間の大半は彼女と電話をしたり、メッセンジャーをしたり、デートをしたりして過ごした。

…彼女が、夫とは愛情でつながった関係ではないことも知っていた。…彼女が私に別れを告げたときは、独身の女の子が彼女のとなりにいた。その直後、彼女は離婚したのだ。ほかの誰でもない、自分ひとりだけを愛してくれる相手を探していたのだ。わかっていたはずなのに、私は主人を愛していた。だから、そんなことになっても、両手を広げて彼女を迎えにいくことができなかった。…少し、悔やんでいる。

弁明するつもりはないが、私は生活を選んだわけではない。

彼女だけを選ぶことができなかった、ということ。彼女を幸せにすることができない私には、追いかける資格もない。
今、彼女は幸せを掴もうともがいている。私はそれを見守る。一番傍で見守る。永遠の片想いのように。

余談だが、彼女が好きになる相手はいつも、どこか私に近いタイプ。なんというか、やんちゃで、ちょっと意地悪で、彼女に甘い。でもトランスの人ばかり(笑)。この私が、キスだけで一年間付き合った、生まれて初めて純愛だった人。幸せになっても、私を忘れないでほしい。

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