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母親と電話で話をする。ごくたまに。
「そろそろ、将来のことも考えなきゃいけないしね」…なにげない言葉だ。独身女性が30手前になると大抵の親は、自分の将来と子どもの将来との両方を心配して、そう口にするものだろう。私の場合は、結婚はとうの昔にしているわけで、彼女の言う将来とは、「母親としての将来─出産」そして、「故郷へ戻ってこないか」という2点だろう。

今年の結婚記念日を迎えれば、7年間の結婚生活。何度か子どもの話は出ているが、昨年転職をした主人、そしてしばらくの間経済的に不安定だろうと見越して社会人復帰を果たした私は、たとえばマンションを購入して腰を落ち着けるという目算がまだできないでいる。もともと、私の実家(東北)で就職し、出向してきた主人であるから、結婚当初は両親とも、出向の期限がきれれば二人で戻ってくると思っていたのだ。それが、東京で転職したということで…戻る気配がない私たちをとても心配している。毎晩1時2時に当然のように帰宅する私。休日出勤の多い主人。精一杯の生活。そして私には目指している夢もある。

地元に帰る という選択肢はすでにない。ただ、両親が倒れたりすれば、あるいは一時的に私一人だけでも実家に戻ることもあるだろう。だがそれは、最後の手段。お世話をする人間がいないのなら。夫の方はさらにさらに北の土地が実家であるが、弟夫婦が近くにいるので…長男でも、なんとかなるだろう(と考えている。甘いかな)。歳を重ねるたびに、「どうして子どもをつくらないのか」と、どこかで責められている気がしている。

仕事を辞めて家庭にはいるにはまだ早い。母親となる自分が想像できない。主人の仕事が落ち着いたら…自分の夢がかなったら。いろいろな理由を持ち上げては避けている課題であるが、一番大きい理由は、自分が子どもを欲しいと思えないからだ。

その原因ははっきりしない。私は子どもは好きだし、一時は幼稚園教諭の資格をとろうとしていた。十代のころは、早く結婚して、赤ちゃんを抱っこしたかった。その自信もあった。今は…考えるだけでとてもストレスになってしまう。

恋人が、「将来は二人で互いの子どもをつれてデートしよう」なんて言っていた。想像すると、とても幸せな気がする。二人で教育したり、二人で公園デビューしたり、それもいい。マンションを買うなら近くにしよう、なんて思ったことだってある。でも、…彼の種を身体が受けつけてくれない。

数年前。
結婚記念日だったか、喧嘩した後だったか…避妊をしないで抱かれたことがある。
AVなどで見るその図は、きわめてエロティックに感じる。けれど、私は、震えていた。彼はわからなかったかもしれないけど、私にはドンドン血の気が引いていくのがわかった。しばらく性欲というものが失せたりもした。

それから、避妊なしのセックスはよほどのことがない限り、許していない。…どこかで彼を傷つけているかもしれない、けど…心身ともに拒否するのだから仕方がない…。

もしかしたら私は、生物学的に「女」であることを受け入れられないのかな…。

結婚=母親になること。そう自然に思える女性がうらやましくもある。けれど、私は私のまま、この身体のまま朽ちていくのが正しいのかもしれない。

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